あるカフェで
朝の掃除を済ませ、シャワー浴びて近くのカフェへ。
名物のかき氷を食べたかったが、まずは、サンドイッチとコーヒーで腹ごしらえ。
丸い小さなテーブル席にヨイショ!と腰を下ろし、コーヒーをひとくちすすった途端、となりのおばあさんが"暑いですねー"と声を掛けてきた。
笑顔で"そうですねー"と返したら、なんと!
それから2時間半ずっと、おばあさんの話を書く羽目になってしまった!
でも、これがとても、私の好奇心を満たしてくれる面白くて素敵なお話だった。
おばあさんは、暑い中病院と薬局を回って、ここで一息ついているとの事。
主治医が異動になり転院させられた事。
亡くなったご主人が酒乱で、首を絞められて、水が溜まり、今でも後遺症に悩まされてる事。
病院では、被害届を出すよう言われたが、息子さんが警視だと言う事で我慢した事。
娘さんは看護師長をしており、頼りになると。
息子さんは、あの日航機墜落事故時、真っ先に御巣鷹山に登り、あの少女を助け、その後その子が立派なナースになり、御礼に見えた事。
あの事故時、山の上で支給されたお弁当を食べようと蓋を開けた途端、上空にヘリコプターが飛んで来て、その風力で木にぶら下がってた肉片が落ちて来た事。
おばあさんは私の母と二つ違い。何となく息子さんの年齢を聞くと、私と同い年。
都営住宅に一人暮らし。
やっと治って来た手の甲の骨折と首の後遺症と足の痛み、そしてうつ病を患ってると言う。
普段は病院と、ちょっとした買い物ぐらいしか外出しないおばあさん。
こんなにおしゃべりして、疲れなかったかなと案じたが、会話をする事は健康の秘訣だと思うし。
その魅力的な話ぶりに、もう少しお付き合いして居たかったが、お昼をとうに過ぎて、娘の帰宅時間になってしまったので、先に失礼した。
文庫本でもゆっくり読もうと持って来たが一ページも読めなかったし、かき氷も食べずじまい。
いやいや、でも、貴重な時間を過ごすことができた。